美しい身体を実現する骨盤ベルトブログ:14 1 14
ぼくがまだ小さかった頃、
誕生日に親父が柴犬の子犬を買ってくれました。
フワフワのその子犬をぼくはとても可愛がっていましたが、
ある日、リードを噛み切っていなくなってしまいました。
ぼくは日々「帰ってきて」と祈りながら、
子犬の寝ていたダンボールの箱を見ていました。
しばらくして親父が
「もう帰ってこないだろう。片付けるぞ」と言いました。
ぼくはもう少し待ってくれるように頼みました。
そして子犬がいなくなって1ヶ月ほどたったある日、
ぼくが幼稚園から帰ると、ダンボールの中に子犬がいました。
片目の周りに赤いマジックでいたずら書きをされ、
足に怪我をして帰ってきたのです。
ぼくは泣きました。
うれしかったことと、
いったい誰がこんな酷いことをしたのかと思う悔しさとで、
少し大きくなった子犬を抱きしめて泣きました。
それから少しして、
子犬はだんだんごはんを食べなくなりました。
親父は「変だ」と言い、医者に連れて行き見てもらいましたが、
医者に「もう助からないよ」と言われました。
ぼくは泣きながら子犬を抱きかかえ、家に帰ってきました。
次の日のあさ、子犬は動かなくなっていました。
ぼくは冷たくなった子犬を抱いて泣きつづけました。
親父はダンボールに子犬の好きだった物を入れ、
その中に子犬を寝かし、蓋をしました。
その日は幼稚園を休み、
親父と二人でダンボールを持って海に行きました。
茅ヶ崎の海は、鎌倉の海と違って波が荒々しくて、
ぼくはあまり好きではありません。
でも親父は「ここでないと子犬は帰れないよ」と言い、
海に子犬の寝ているダンボールを流しました。
ぼくと親父は、
子犬が波にゆられていくのをずっと見ていました。